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済州の誕生説話
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開闢神話 ソルムンデおばあさんと五百将軍 三姓神話
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太初の世が開かれた物話
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開闢神話
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長い間世の中はただの真っ暗闇でした。暗闇と混沌に包まれた暗黒の天地に開 闢の機運が動き始めました。甲子年甲子月甲子日甲子刻に天の頭が開かれ、乙 丑年乙丑月乙丑日乙丑刻に地の頭が開かれ、微細な裂け目が生じました。裂け 目がどんどん広がっていくなかで、地が湧き上がり水が流れ下って天と地の境 界が少しずつ明らかになっていきました。この時、天から青い露が降り、地からは 黒い露が湧き出て、それらが互いに合わさって広がりながら万物が生じ始めまし た。星が最初にできたそうです。東に牽牛星(彦星)、西に織姫星、南に老人星、北 に北斗七星、中央に三台星が生じるや、多くの星が続々と現れ、空いっぱいに星 座を構えました。星明かりだけではまだ暗いままでした。ただ暗いまま、東からは 青い雲が、西からは白い雲が、南からは赤い雲が、北からは黒い雲が、中央では 黄色い雲が行ったり来たりしました。ある瞬間、天皇鶏が首をあげ、地皇鶏が羽ば たき、人皇鶏が尾を振って大きく鳴くと、東方から夜が明け始めました。この時、天 から天地王が二つの日と二つの月を送り出すや、世の中が明るくなり、天地がぱ っと開かれたのです。