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衣.食.住

Food, Lodging and Clothing

島という地理的特性と格別の自然環境により済州島の衣食住文化は特別である。 済州島の自然と独特の生活文化が宿っている伝統生活の家、各種の生活道具と食べ物、 そして伝統衣服に至るまで、済州民の色合いがそっくりそのまま盛り込まれている。

  • 主.
  • Dang

    チョンナンとオルレ
    済州伝統民家の構成は「オルレ」から始まる。オルレの入口には「チ ョンナン」が置かれている。チョンナンとはオルレの入口を横切るよ うに置かれる三本の丸太のこと。オルレの入口の両側に立てられ、 チョンナンを挟む石の柱は「チョン柱木(ジュモク)」と呼ぶ。チョン ナンは元々馬と牛のために作られたと言われる。済州には馬や牛を 放牧してきた伝統があるが、道をぶらく馬や牛が家に入って来るこ とを防ぐためにチョンナンが必要だったわけだ。門を作らずに丸太 を利用したのは風のため。チョンナンは風の影響を受けないので、 台風が吹いても崩れない。丸太は何故3本なのかというと、家の主 人と客人の間の情報交換の信号だった。3本全てかかっていれば、 家の主人が一日中外出中という意味で、2本かけられていればや や長時間外出中という意味、1本だけかけられていればほんの暫 し外出中という意味の印しとされた。オルレは家によってその長さ が長短様々であるが、真っ直ぐなものもあれば、のっぺらぼうではな く曲線に曲がりくねりながら広くなったり細くなったりするものもあ り、形が様々だった。済州は強風が吹く日が多い島。強い風も、隙間 だらけに積み上げたオルレの曲りくねった石垣を経るうちに、その 強さが弱められる。また、オルレがあることから、家の内部が見えに くくなっている。オルレは風と外からの視線を阻んでくれる役目をし たわけだ。チョンナンとオルレは韓国のみならず世界でも専ら済州 でのみ見られる独特の住居風景だ。
  • 草家
    済州の草家も済州でのみ見られる独特の民家だ。まず第一に真に 頑丈だ。外部には石垣を積み、壁は土を塗って石垣を頑丈にし、屋 根は茅(かや)を覆った後に太い綱で石畳のようにしっかりと結んで おいた。雨と風が多い自然環境を克服しようとする済州の先人たち の知恵が済州だけの草家を作り出したのである。全て「一」の字形 というのも、サランマダン(舍廊庭/前庭)とサランチェ(舍廊用の別 棟)がない配置方式も、他の地方と全く違う点だ。済州民家は中庭 を中心に「アンゴリ」(母屋)と「パッコリ」(外棟)が配置されるが、母 屋でのみ祭祀用祭酒が保管され、祭祀を準備して過ごす。息子が結 婚すれば「アンゴリ」には親の世代が暮し、「パッコリ」には息子の世 代が暮す。そうして一定期間を過ごすと、互いに交代して暮す。それ は「祭祀」の主体が親の世代から息子の世代に移ったという意味で ある。親族の仕事、扶助、共同財産権、神堂参りなどもアンゴリに住 む人だけができることだった。アンゴリはそれほど重要な意味を持 つ。アンゴリにもパッコリにも台所、醤油や味曽の甕置き場、便所な どが別に用意されており、二世代が互いに独立した生活をする。住 居単位としては一世帯だが、経済的な単位では二世帯というわけ だ。このように済州民家には済州のみ持つ珍しい家族制度を始め、 気候に対する対処、風水地理、巫俗信仰など、複合的な文化が宿っている。
  • ドットンシ(便所)
    済州の伝統の厠間(便所)であるドットンシトンシは、風と外部の視 線を阻む低い石の垣根だけあって屋根がない。足の下から汚物が 飛び散ったり嵌って死ぬ心配もなく、悪臭もない。それゆえ安心して 周辺を眺めながら気持ちよく用が足せる快適なトイレだった。しか し、唯単にトイレの機能だけではなかった。豚小屋を兼ねていたか らである。ドットンシの床面には麦藁を敷き、そこで豚は人の排泄物 と生ごみを食べて寝た。その豚の排泄物と混じった麦藁が自然発 酵を経て、済州農業には欠かせない肥沃な堆肥となった。申し分の 無い環境浄化空間であると同時に自然堆肥生産空間でもあったド ットンシも、専ら済州でのみ見られる特に優れた住居文化要素だ。